#法的手続き#支払督促#少額訴訟#訴訟

未払い金回収の法的手続き|支払督促・少額訴訟・通常訴訟の違いと選び方

✍️編集部

こんな状況ではありませんか?

  • 内容証明を送っても無視される
  • 3回以上催促したが、一切反応がない
  • 「払わない」と明言された
  • もう自分では限界だと感じている

この記事では、法的手続きに進むべきタイミングと、3つの手続き(支払督促・少額訴訟・通常訴訟)の違いを解説します。


法的手続きに進むべきタイミング

以下のいずれかに当てはまる場合、法的手続きを検討すべきです。

チェックリスト

  • ☑ 内容証明を送っても反応がない
  • ☑ 3回以上の催促メールを完全に無視されている
  • ☑ 支払期日から2ヶ月以上経過している
  • ☑ 相手が「払わない」と明言している
  • ☑ 未払い金額が10万円以上ある

2つ以上当てはまる場合は、法的手続きを検討しましょう。


法的手続きの3つの選択肢

法的手続きには、大きく分けて以下の3つがあります。

手続き 金額制限 費用 期間 特徴
支払督促 なし 数千円〜 1〜2ヶ月 書面のみで完結(相手が異議を出すと訴訟に移行)
少額訴訟 60万円以下 1〜3万円 1日 1回の審理で判決(簡易・迅速)
通常訴訟 なし 数十万円〜 6ヶ月〜 正式な裁判(時間と費用がかかる)

1. 支払督促(しはらいとくそく)

支払督促とは?

裁判を開かずに、裁判所が相手に支払いを命じる手続きです。

メリット

  • ✅ 費用が安い(数千円〜)
  • ✅ 書面のみで完結(裁判所に出廷不要)
  • ✅ 手続きが簡単(弁護士なしでも可能)
  • ✅ 金額制限がない

デメリット

  • ❌ 相手が異議を申し立てると、通常訴訟に移行
  • ❌ 相手の住所が分からないと使えない
  • ❌ 相手が無視すると、強制執行が必要

費用

  • 申立手数料: 数千円(請求額による)
  • 郵送費: 数百円
  • 弁護士費用: 不要(自分で手続き可能)

手続きの流れ

  1. 簡易裁判所に「支払督促申立書」を提出
  2. 裁判所が相手に「支払督促」を送付
  3. 相手が2週間以内に異議を申し立てなければ、「仮執行宣言」を申請
  4. 仮執行宣言が確定すれば、強制執行可能

こんな人におすすめ

  • 証拠がしっかりしている(請求書、契約書がある)
  • 相手の住所が分かっている
  • まずは低コストで試したい

2. 少額訴訟

少額訴訟とは?

60万円以下の金銭請求に限定した、簡易的な裁判です。

メリット

  • ✅ 原則1回の審理で判決が出る(即日判決)
  • ✅ 手続きが簡単(弁護士なしでも可能)
  • ✅ 費用が安い(1〜3万円程度)
  • ✅ 分割払いの和解も可能

デメリット

  • ❌ 請求額が60万円以下に限定
  • ❌ 年間10回までしか利用できない
  • ❌ 相手が「通常訴訟に移行したい」と言うと、通常訴訟になる

費用

  • 申立手数料: 1〜3万円(請求額による)
  • 郵送費: 数千円
  • 弁護士費用: 不要(自分で手続き可能)

手続きの流れ

  1. 簡易裁判所に「少額訴訟の訴状」を提出
  2. 裁判所が期日を指定(1〜2ヶ月後)
  3. 1回の審理で判決(原則即日判決)
  4. 判決確定後、強制執行可能

こんな人におすすめ

  • 請求額が60万円以下
  • 早く解決したい
  • 証拠がしっかりしている

3. 通常訴訟

通常訴訟とは?

正式な裁判手続きです。金額制限はありません。

メリット

  • ✅ 金額制限がない(100万円以上の案件も可能)
  • ✅ 複雑な案件にも対応可能
  • ✅ 正式な判決が出る

デメリット

  • ❌ 時間がかかる(半年〜1年以上)
  • ❌ 費用が高い(弁護士費用込みで数十万円〜)
  • ❌ 手続きが複雑(弁護士推奨)

費用

  • 申立手数料: 数万円(請求額による)
  • 弁護士費用: 着手金20〜30万円 + 成功報酬(回収額の10〜20%)

手続きの流れ

  1. 地方裁判所または簡易裁判所に「訴状」を提出
  2. 裁判所が期日を指定(複数回の審理)
  3. 証拠調べ、証人尋問など
  4. 判決(数ヶ月〜1年後)
  5. 判決確定後、強制執行可能

こんな人におすすめ

  • 請求額が100万円以上
  • 証拠が不十分で、証人尋問が必要
  • 相手が争う姿勢を見せている

どれを選ぶべき?フローチャート

ステップ1: 金額を確認

Q: 請求額はいくらですか?

  • 60万円以下 → 少額訴訟 or 支払督促
  • 60万円以上 → 通常訴訟 or 支払督促

ステップ2: 証拠の有無を確認

Q: 証拠はしっかりしていますか?(請求書、契約書、メールなど)

  • 証拠がしっかりしている → 支払督促 or 少額訴訟
  • 証拠が不十分 → 弁護士に相談して通常訴訟

ステップ3: 相手の反応を予測

Q: 相手は争う姿勢を見せていますか?

  • 争わない(無視している) → 支払督促
  • 争う姿勢を見せている → 少額訴訟 or 通常訴訟

ステップ4: 費用対効果を確認

Q: 弁護士費用をかけても回収したいですか?

  • 費用をかけたくない → 支払督促 or 少額訴訟(自分で手続き)
  • 費用をかけても回収したい → 通常訴訟(弁護士依頼)

よくある質問

Q1: 弁護士に頼まなくても手続きできますか?

A: 支払督促と少額訴訟は、弁護士なしでも可能です。

裁判所の窓口で相談すれば、書き方を教えてもらえます。ただし、通常訴訟は複雑なため、弁護士に依頼するのが一般的です。

Q2: 勝訴しても相手が払わない場合は?

A: 強制執行ができます。

判決が確定すれば、相手の銀行口座や給与を差し押さえることができます。ただし、相手に資産がない場合は回収できません。

Q3: 費用倒れしないか心配です

A: 回収額と費用を比較しましょう。

請求額 おすすめ手続き 費用目安
10万円未満 支払督促 数千円
10〜60万円 少額訴訟 1〜3万円
60〜100万円 支払督促 or 通常訴訟 数千円〜30万円
100万円以上 通常訴訟 30万円〜

回収額が30万円未満の場合、弁護士費用は費用倒れのリスクがあります。

Q4: 時効は大丈夫ですか?

A: 売掛金の時効は5年です。

2020年4月の民法改正後、原則5年です。ただし、内容証明の送付や訴訟提起により時効を中断できます。


まとめ

手続き 金額 費用 期間 おすすめの人
支払督促 制限なし 数千円 1〜2ヶ月 証拠がしっかりしている人
少額訴訟 60万円以下 1〜3万円 1日 早く解決したい人
通常訴訟 制限なし 数十万円 6ヶ月〜 高額案件・複雑な案件

まずは弁護士・司法書士の無料相談を活用し、最適な手続きを選びましょう。


免責事項

重要な注意事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言ではありません。

  • 法的手続きは専門的な知識を要するため、必ず弁護士や司法書士にご相談ください。
  • 本記事の情報を使用した結果生じた損害について、当サイトは一切の責任を負いません。
  • 個別の事案によって最適な手続きは異なります。専門家への相談を強く推奨します。

最終更新: 2025年11月01日


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