よくある未払いトラブル事例集|パターン別対処法【連絡不通・倒産・クレーム拒否】
この記事は誰のため?
この記事は、以下のような状況でお困りの方に向けて書かれています:
- 催促しても連絡が取れなくなった
- 相手が倒産・破産してしまった
- クレームをつけて支払いを拒否している
- よくあるトラブルパターンと対処法を知りたい
この記事を読むことで、よくある未払いトラブルのパターン、具体的な対処法、予防策が分かります。
パターン1: 連絡が取れなくなった
状況
- 催促メールを送っても返信がない
- 電話をかけても出ない、着信拒否されている
- 会社の代表番号にかけても「不在です」と言われる
よくある原因
連絡が取れなくなる背景には、いくつかの典型的なパターンがあります。
まず、最も悪質なケースは、意図的に無視している場合です。払いたくない、または払えない状況にあり、連絡を取らなければ逃げ切れると考えているのです。
次に、担当者が退職したことで引き継ぎがされていないケースもあります。新しい担当者が案件を把握しておらず、対応が滞っているのです。
さらに、経営が悪化している場合もあります。資金繰りが苦しく対応できない状態にあり、最悪の場合は倒産や夜逃げの可能性も考えられます。
対処法
Step 1: 複数の連絡手段を試す
- メール、電話、FAX、郵送、直接訪問
- 代表番号、担当者の携帯、経理部門など
Step 2: 内容証明郵便を送る
- 正式な通知として送る
- 「〇〇日までに連絡がない場合、法的措置を取る」と明記
→ 内容証明の書き方
Step 3: 住所を確認する
- 登記簿謄本を取得して、現在の住所を確認
- 法人なら法務局で登記事項証明書を取得
Step 4: 支払督促または訴訟を検討
- 住所が確認できれば、支払督促・訴訟が可能
予防策
- 契約時に複数の連絡先を確保(携帯電話、メール、SNS)
- 定期的に連絡を取り、関係を維持
- 前払い制度を導入
パターン2: クレームをつけて支払いを拒否
状況
- 「商品に不備があった」と主張して払わない
- 「サービスの質が悪い」と文句を言って払わない
- 「契約内容と違う」と言って払わない
よくある原因
クレームによる支払い拒否には、いくつかの背景があります。
まず、本当に商品やサービスに問題があったケースです。実際に不備があったり、期待と実際の内容にギャップがあった場合です。この場合は、正当なクレームとして対応する必要があります。
一方で、単なる言いがかりとして、支払いを逃れるための口実にクレームを使うケースもあります。後から理由をつけて、支払いを拒否しようとするのです。
また、契約内容の解釈や仕様の認識にズレがあるケースも少なくありません。双方の認識が異なっていたために、トラブルに発展するパターンです。
対処法
Step 1: クレーム内容を具体的に確認
- 何が問題なのか、具体的に聞く
- 証拠(写真、動画、メールなど)を求める
Step 2: 契約書・仕様書を確認
- 契約内容と実際の納品物を照らし合わせる
- 契約書に書かれていることを基準に判断
Step 3: 対応を提示
パターンA: 本当に問題があった場合
- 修正・交換・返金などの対応を提示
- 一部減額での和解も検討
パターンB: 言いがかりの場合
- 契約書に基づいて、支払い義務があることを主張
- 内容証明郵便で正式に通知
Step 4: 交渉がまとまらなければ訴訟
- 裁判で白黒つける
- 弁護士に相談
予防策
- 契約書に仕様・納期・検収条件を明記
- 納品時に検収書にサインをもらう
- 進捗を定期的に共有し、認識のズレを防ぐ
パターン3: 「今月は厳しい、来月払う」を繰り返す
状況
- 「今月は資金繰りが厳しい、来月払う」と言われる
- 来月になっても払わず、また「来月」と言われる
- 何ヶ月も先延ばしにされている
よくある原因
支払いの先延ばしを繰り返す背景には、いくつかの理由が考えられます。
まず、本当に資金繰りが苦しい状況にある場合です。経営が悪化していたり、取引先からの入金が遅れていたりして、実際に支払いが困難な状況にあるのです。
次に、他の支払いを優先しているケースがあります。あなたの請求を後回しにし、「うるさく言わない相手は後回しでも大丈夫」と判断されているのです。
最も悪質なのは、単なる時間稼ぎのケースです。倒産や夜逃げの準備をしていたり、最初から払う気がなかったりする場合があります。
対処法
Step 1: 支払期日を明確に決める
- 「来月」ではなく、「〇月〇日まで」と具体的な日付を決める
- メールで確認し、記録を残す
Step 2: 分割払いを提案
- 一括が難しいなら、分割払いを提案
- 分割払い合意書を作成
Step 3: 期限を過ぎたら即座に対応
- 1日でも遅れたら、すぐに催促
- 「次は法的手続きを取る」と明言
Step 4: 3回先延ばしにされたら法的手続き
- 3回も先延ばしにされたら、もう信用できない
- 内容証明 → 支払督促・訴訟に進む
予防策
- 契約書に「期限の利益喪失条項」を入れる
- 1回でも遅れたら、即座に催促
- 前払い制度を導入
パターン4: 相手が倒産・破産した
状況
- 相手が倒産・破産手続き中
- 「破産管財人」から通知が届いた
- もう連絡が取れない
よくある原因
倒産や破産に至る背景は主に2つあります。
ひとつは、経営悪化による倒産です。資金繰りが悪化し続けた結果、やむなく倒産に至るケースや、負債が膨らんで破産せざるを得ない状況に陥るケースです。
もうひとつは、計画倒産という悪質なケースです。意図的に倒産することで、債務を踏み倒そうとする極めて悪質な手法です。
対処法
Step 1: 破産手続きに参加する
- 破産管財人に債権届出書を提出
- 債権者集会に参加
Step 2: 配当を待つ
- 相手の財産が配当される(ただし、微々たる金額の場合が多い)
- 優先債権(税金、従業員の給与など)が先に配当される
Step 3: 回収を諦める
- 破産した相手からの回収は極めて困難
- 損金として計上し、税務処理
倒産前に回収する方法
兆候を見逃さない
- 支払いが遅れる
- 連絡が取りにくくなる
- 経営者の態度が変わる
早めに動く
- 内容証明を送る
- 仮差押え(弁護士に相談)
- 倒産前に回収することが重要
予防策
- 取引前に信用調査を行う
- 大口取引は前払いを求める
- 定期的に相手の経営状況を確認
パターン5: 担当者が「上司の承認待ち」を繰り返す
状況
- 「上司の承認が必要なので、少し待ってください」と言われる
- 何週間も「承認待ち」のまま
- 担当者は払う気があるが、上司が動かない
よくある原因
「上司の承認待ち」が繰り返される背景には、いくつかの可能性があります。
まず、本当に社内手続きが遅いケースです。大企業の場合、承認プロセスが複雑で時間がかかることがあり、また担当者に決裁権限がない場合もあります。
次に、上司が意図的に支払いを保留しているケースです。予算がなかったり、優先度が低いと判断されていたりして、上司レベルで支払いを先延ばしにしているのです。
最も悪質なのは、単なる言い訳として使っているケースです。実際には承認など待っておらず、時間稼ぎのために「承認待ち」と言っているだけの場合があります。
対処法
Step 1: 上司に直接連絡
- 担当者を通さず、上司に直接メール・電話
- 「いつまでに承認されるか」を確認
Step 2: 期限を設定
- 「〇〇日までに承認していただけなければ、法的手続きを検討します」と伝える
Step 3: 内容証明を送る
- 上司宛に内容証明を送る
予防策
- 契約時に決裁権限者を確認
- 大口取引は決裁権限者と直接やり取り
- 支払期日を明確に設定
パターン6: 「振込を忘れていた」を繰り返す
状況
- 「すみません、振込を忘れていました」と謝られる
- 何度も同じことを繰り返す
- 悪気はなさそうだが、改善しない
よくある原因
振込忘れが繰り返される原因は、主に2つのパターンに分けられます。
ひとつは、本当に忘れているケースです。担当者がルーズな性格だったり、社内の管理体制が悪かったりして、支払いを忘れてしまうのです。悪気はありませんが、改善されないのが問題です。
もうひとつは、優先度が低いと判断されているケースです。他の支払いを優先し、あなたの請求は「後回しでも大丈夫」と思われているのです。これは意図的な後回しといえます。
対処法
Step 1: 自動振込を依頼
- 毎月決まった日に自動振込を設定してもらう
Step 2: リマインドを送る
- 支払期日の1週間前にリマインドメールを送る
- 支払期日当日にも確認メールを送る
Step 3: 2回忘れられたら厳しく対応
- 「次回も忘れた場合、取引を停止します」と伝える
- 前払い制度に切り替える
予防策
- 請求書を早めに送る
- 自動引き落としを導入
- 契約書に遅延損害金を明記
パターン7: 「請求書が届いていない」と言われる
状況
- 「請求書が届いていません」と言われる
- メールで送ったのに「届いていない」
- 再送しても同じことを繰り返す
よくある原因
「請求書が届いていない」という主張の背景には、いくつかの可能性があります。
まず、本当に届いていないケースです。メールが迷惑メールフォルダに振り分けられていたり、郵送物が紛失したりすることは実際にあります。
次に、単なる言い訳として使われているケースです。実際には届いているのに、支払いを遅らせるための口実として「届いていない」と主張しているのです。
また、担当者が変わったことで、前任者宛に送った請求書を新しい担当者が把握していないケースもあります。組織の引き継ぎ不足が原因です。
対処法
Step 1: 複数の方法で送付
- メール、郵送、FAXなど複数の方法で送る
- メールは送信記録を残す
Step 2: 受領確認を取る
- 「請求書を受領しました」とメールで返信してもらう
- 郵送なら配達証明付きで送る
Step 3: 再送しても「届いていない」なら内容証明
- 内容証明郵便で送る(配達証明付き)
- 「いつ、誰が、誰に送ったか」が証明される
予防策
- 請求書は電子データ(PDF)で送り、送信記録を残す
- 受領確認を必ず取る
- 電子請求書システムを導入(開封確認機能付き)
パターン8: 「契約書がないから払わない」と言われる
状況
- 「契約書にサインしていないから、払う義務はない」と言われる
- 口頭で合意したが、書面がない
- メールのやり取りしかない
よくある原因
「契約書がないから払わない」という主張の背景は、主に2つに分けられます。
ひとつは、本当に契約書が存在しないケースです。口頭での合意のみだったり、メールでのやり取りしか残っていなかったりする場合です。この場合、法的な立証が難しくなります。
もうひとつは、単なる言い訳として使われているケースです。契約書がなくても実際には合意していたにもかかわらず、払いたくないための口実として「契約書がない」と主張しているのです。
対処法
Step 1: メール・LINEなどの記録を集める
- 「〇〇円で依頼します」「了解しました」などのやり取り
- これらも契約の証拠になる
Step 2: 請求書・納品書を証拠とする
- 請求書を送って、相手が受領していれば、契約を認めたと判断される場合がある
Step 3: 訴訟で争う
- 契約書がなくても、メールや請求書などの証拠があれば勝てる可能性がある
- 弁護士に相談
予防策
- 必ず契約書を作成し、双方が署名・押印
- 口頭合意の場合でも、メールで確認を取る
- 請求書に「契約書No.〇〇に基づく請求」と明記
まとめ:トラブル別対処法一覧
| トラブル | 対処法 | 予防策 |
|---|---|---|
| 連絡不通 | 内容証明 → 支払督促 | 複数の連絡先確保、前払い |
| クレーム拒否 | 契約書確認 → 交渉 → 訴訟 | 仕様明記、検収書取得 |
| 先延ばし | 期日明確化 → 分割払い → 法的手続き | 期限の利益喪失条項 |
| 倒産 | 破産手続き参加 → 配当待ち | 信用調査、前払い |
| 承認待ち | 上司に直接連絡 → 内容証明 | 決裁権限者確認 |
| 振込忘れ | 自動振込依頼 → リマインド | 自動引き落とし |
| 請求書不着 | 複数方法送付 → 受領確認 → 内容証明 | 電子請求書システム |
| 契約書なし | メール記録収集 → 訴訟 | 必ず契約書作成 |
免責事項
重要な注意事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言ではありません。
- 個別の状況に応じて、弁護士などの専門家にご相談ください。
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- トラブル対応は状況によって異なるため、専門家への相談を推奨します。
最終更新: 2025年11月12日
次のステップ
各手続きの詳細を知りたい方
予防策を知りたい方
いまのあなたはどちら?
フェーズ1
まだ関係を維持しながら催促したい
1〜2回目の催促段階で、相手との関係を維持しながら入金を促したい方
- ✓未入金案件を自動でリスト化
- ✓催促メールをテンプレで送信
- ✓対応履歴を自動記録
フェーズ2
法的手続きを検討している
2〜3回催促しても反応がなく、内容証明や法的手続きを検討している方
- ✓弁護士・司法書士による無料相談
- ✓回収可能性を客観的に判断
- ✓内容証明〜訴訟まで代行可能
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