#信用調査#取引先#リスク管理#未払い予防

危ない取引先の見極め方|未払いリスクの早期発見【信用調査とチェックリスト】

✍️編集部

この記事は誰のため?

  • 新規取引先の信用を確認したい
  • 危ない取引先を事前に見極めたい
  • 倒産の兆候を知りたい
  • 未払いリスクを回避したい

この記事を読むことで、危ない取引先の見極め方、信用調査の方法、危険信号のサインが分かります。


危ない取引先の特徴

1. 連絡が取りにくい

危険信号

連絡が取りにくい取引先には、いくつかの明確な特徴があります。まず、メールの返信が24時間以上遅れることが頻繁にあり、電話をかけても出ないか折り返しがありません。また、担当者がコロコロと変わることも警戒すべきポイントです。さらに、会社の代表番号に電話をかけても繋がらない場合は、特に注意が必要です。

リスク

このような取引先と関係を持つと、取引後も連絡が取れなくなる可能性が高くなります。そのため、問題が起きたときに適切な対応をしてもらえず、未払いのリスクが一層高まることになります。

2. 支払条件が曖昧

危険信号

支払条件を明確にしない取引先も危険です。「支払いは後日」といった曖昧な表現を使い、支払期日を明確にしようとしません。さらに、「契約書は後で」と先延ばしにしたり、契約書なしで取引を進めようとする傾向があります。

リスク

こうした取引先は、支払いを遅らせる可能性が高く、後から「そんな約束はしていない」と主張されるリスクがあります。書面での証拠がないため、トラブル時の対応が困難になります。

3. 前払いを嫌がる

危険信号

前払いや着手金の提案に対して、「前払いは困る」と強く拒否する取引先には注意が必要です。また、「信用してくれないのか」と逆ギレしたり、分割払いを執拗に要求してくる場合も警戒すべきです。

リスク

このような反応を示す取引先は、資金繰りが苦しい可能性があります。また、最初から支払う気がなく、サービスや商品だけを受け取ろうとしている可能性も否定できません。

4. 過剰な値引き要求

危険信号

過剰な値引きを要求してくる取引先も要注意です。「他社はもっと安い」と主張して大幅な値引きを求め、「今回だけ」と言いながら毎回値引きを要求します。さらに、「次回からは定価で」と約束しても、次回も同様に値引きを求めてくるパターンが典型的です。

リスク

こうした取引では利益が出ないばかりか、支払いを渋られる可能性も高くなります。値引きに応じても、さらなる値下げを要求され続けることになります。

5. オフィスが怪しい

危険信号

オフィスの実態にも注意を払う必要があります。レンタルオフィスやバーチャルオフィスを使用している場合、また個人事業主でないのに住所が自宅になっている場合は警戒が必要です。さらに、Googleマップで確認すると存在しない住所だったり、看板や表札がない場合は特に注意が必要です。

リスク

このような取引先には、夜逃げのリスクや、そもそも実体のない会社である可能性があります。連絡が取れなくなった場合、回収が極めて困難になります。


信用調査の方法

1. 帝国データバンク・東京商工リサーチ

利用方法

帝国データバンクや東京商工リサーチは、有料の信用調査サービスです。これらのサービスを利用することで、企業の財務状況や過去の支払い実績を詳しく確認することができます。

費用

1件あたり1〜3万円程度の費用がかかりますが、大口取引のリスク管理としては十分に価値のある投資といえます。

おすすめ

特に大口取引(100万円以上)の場合や、継続取引が見込まれる場合には、この方法での信用調査を強くおすすめします。

2. 法人番号公表サイト(無料)

確認できること

国税庁の法人番号公表サイト(https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/)では、法人の基本的な登記情報を無料で確認できます。具体的には、住所、代表者名、設立年月日などの情報が取得可能です。

チェックポイント

まず、法人番号が存在するかを確認し、次に記載されている住所が実在するかをチェックします。また、代表者名が取引時に提示された情報と一致するかも重要な確認事項です。

3. 登記事項証明書(法務局)

取得方法

登記事項証明書は、法務局で手数料600円を支払うことで取得できます。また、オンラインでの取得も可能です。

確認できること

この証明書からは、資本金、役員の氏名、設立年月日、本店所在地といった、より詳細な企業情報を確認することができます。

4. Googleで検索

検索ワード

インターネット検索も有効な調査手段です。会社名と組み合わせて、「評判」「口コミ」「未払い」「倒産」といったキーワードで検索してみましょう。

チェックポイント

検索結果にネガティブな口コミが多数見つからないか、また過去に未払いトラブルを起こしていないかを確認します。ただし、ネット上の情報は真偽を見極める必要があります。

5. SNS・求人サイトをチェック

確認すべきサイト

Twitter(X)やFacebookといったSNS、さらに転職会議やOpenWorkのような元社員の口コミサイト、IndeedやリクナビNEXTなどの求人サイトも、企業の実態を知る貴重な情報源です。

チェックポイント

頻繁に求人を出している企業は離職率が高い可能性があります。また、元社員によるネガティブな口コミが多くないか、SNSで炎上していないかなども重要なチェックポイントです。


取引開始前のチェックリスト

基本情報

  • 法人番号が存在するか
  • 住所が実在するか(Googleマップで確認)
  • 代表番号が繋がるか
  • ウェブサイトがあるか
  • メールアドレスがフリーメールでないか(Gmail, Yahoo!など)

信用情報

  • 資本金はいくらか(1,000万円以上が目安)
  • 設立から何年経っているか(3年以上が目安)
  • 帝国データバンクなどの信用調査を行ったか
  • ネガティブな口コミ・評判はないか

契約条件

  • 契約書を作成することに同意しているか
  • 支払期日が明確か
  • 前払い・着手金を受け入れるか
  • 遅延損害金の条項に同意するか

コミュニケーション

  • メールの返信は24時間以内か
  • 電話に出る、折り返しがあるか
  • 担当者の対応は丁寧か
  • 質問にきちんと答えてくれるか

倒産の兆候

1. 支払いが遅れる

兆候

倒産の最も分かりやすい兆候は、支払いの遅延です。これまで期日通りに支払いをしていた取引先が、急に遅れるようになった場合は要注意です。また、「今月は厳しい」といった言い訳が増えてきたら、さらに警戒が必要です。

リスク

このような状況は、資金繰りが悪化していることを示しています。そのまま放置すると、数ヶ月後に倒産する可能性が高まります。

2. 連絡が取りにくくなる

兆候

以前は迅速だったメールの返信が遅くなったり、電話に出なくなったりする変化も危険信号です。また、担当者が突然辞めてしまった場合も、企業の内部状況が悪化している可能性があります。

リスク

こうした兆候は、夜逃げの準備をしているか、倒産が間近に迫っていることを示唆しています。早急な対応が必要です。

3. 大幅な値引きを要求

兆候

取引先が突然、「今回だけ」と言って大幅な値引きを要求してきたり、「支払いが厳しいので減額してほしい」と申し出てくる場合も、倒産の前兆かもしれません。

リスク

これは資金繰りが相当苦しくなっている証拠であり、全額回収できない可能性が高まっています。

4. 手形・小切手が不渡り

兆候

手形や小切手が不渡りになった場合は、極めて深刻な状況です。これは企業の支払能力が著しく低下していることを意味します。

リスク

2回不渡りを出すと銀行取引停止処分となり、事実上の倒産となります。1回目の不渡りが発生した時点で、即座に対応する必要があります。

5. 経営者の態度が変わる

兆候

経営者の態度や行動にも注目すべきです。それまで友好的だった経営者が急に冷たくなったり、避けるようになったり、あるいは焦っている様子が見られる場合は警戒が必要です。

リスク

このような変化は、倒産を隠している可能性や、夜逃げの準備をしている可能性を示しています。

6. オフィスが縮小

兆候

オフィスを縮小したり、従業員が明らかに減少したり、電話が繋がらなくなったりといった物理的な変化も、重要な警告サインです。

リスク

これらは経営が悪化していることの明確な証拠であり、倒産が間近に迫っていることを示しています。


危ない取引先への対応

レベル1: 軽度のリスク

状況

  • 支払いが1〜2回遅れた
  • 連絡が少し取りにくくなった

対応

  • 支払期日を短くする(60日 → 30日)
  • 分割払いを認めない
  • 前払い制度に切り替える

レベル2: 中程度のリスク

状況

  • 支払いが3回以上遅れた
  • 「今月は厳しい」と言い訳が増えた

対応

  • 新規取引を停止
  • 未払い分を早急に回収
  • 内容証明を送る準備

レベル3: 高度のリスク

状況

  • 支払いが2ヶ月以上遅れている
  • 連絡が取れなくなった
  • 倒産の兆候がある

対応

  • 直ちに内容証明を送る
  • 弁護士に相談
  • 仮差押えを検討(弁護士に依頼)

内容証明の書き方弁護士に依頼するタイミング


未払いリスクを減らす予防策

1. 前払い制度を導入

対象

  • 新規取引先
  • 大口取引
  • 信用情報が不十分な取引先

前払い制度の導入方法

2. 契約書に支払条項を明記

記載すべき項目

  • 支払期日
  • 遅延損害金
  • 期限の利益喪失条項

契約書に入れるべき支払い条項

3. 取引限度額を設定

方法

  • 新規取引先: 最初は50万円まで
  • 信用が確認できたら、限度額を引き上げる

4. 定期的に信用調査

頻度

  • 大口取引先: 年1回
  • その他: 2〜3年に1回

よくある質問(FAQ)

Q1: 信用調査は必ずすべき?

A: 大口取引(100万円以上)の場合は推奨。

  • 1〜3万円の費用で、未払いリスクを大幅に減らせる
  • 小額取引の場合は、無料の方法(法人番号、Google検索)で十分

Q2: レンタルオフィスの会社は危ない?

A: 必ずしも危ないわけではないが、注意が必要。

  • 最近はレンタルオフィスの会社も増えている
  • ただし、夜逃げのリスクは高い
  • 前払い制度を導入することを推奨

Q3: 相手が倒産しそうな場合、どうすれば?

A: すぐに動く。

  • 内容証明を送る
  • 弁護士に相談
  • 仮差押えを検討

Q4: 取引先が倒産した場合、回収できる?

A: 極めて困難。

  • 破産手続きに参加して、配当を待つ
  • ただし、配当はほとんど期待できない

まとめ

リスク 対応
軽度 支払期日短縮、前払い導入
中度 新規取引停止、未払い回収
高度 内容証明、弁護士相談、仮差押え

取引開始前の信用調査と、倒産の兆候の早期発見が、未払いリスクを減らす鍵です。


免責事項

重要な注意事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言ではありません。

  • 個別の状況に応じて、専門家にご相談ください。
  • 本記事の内容をそのまま使用した結果生じた損害について、当サイトは一切の責任を負いません。

最終更新: 2025年11月12日


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