#催促#心理学#取引先#関係維持

取引先との関係を壊さない催促の心理学|相手の防衛反応を理解して円滑に回収する方法

✍️編集部

この記事は誰のため?

  • 催促したいが、取引先との関係を壊したくない
  • 相手がなぜ支払いを遅らせるのか理解したい
  • 心理学的なアプローチで円滑に催促したい
  • 関係維持と回収を両立させたい

この記事を読むことで、相手の心理、防衛反応の理解、やわらかい催促のコツ、関係維持の方法が分かります。


相手が支払いを遅らせる心理

1. 「忘れている」(本当に)

心理状態

支払いを遅らせる理由として最も罪のないのが、本当に忘れているケースです。悪気は全くなく、他の業務で忙しくしているうちに、支払いのことが頭から抜けてしまっているのです。このタイプの相手は、リマインドすればすぐに払ってくれる可能性が高いです。

対応策

このような相手には、やわらかくリマインドするのが効果的です。「すでにお手続き済みでしたら失礼いたしました」といった逃げ道を残す表現を使うことで、相手を責めずに確認できます。

2. 「後回しにしている」

心理状態

次に多いのが、意図的に後回しにしているケースです。あなたの請求の優先度が低く、「うるさく言わない相手は後回しでも大丈夫」と判断されているのです。他の支払いを優先し、あなたの分は後回しにされています。

対応策

このタイプには、定期的にリマインドすることが重要です。また、「〇〇日までに」と具体的な期限を明確にすることで、優先度を上げてもらう工夫が必要です。

3. 「資金繰りが苦しい」

心理状態

三つ目は、払いたいが払えない状況にあるケースです。他の支払いで精一杯で、「もう少し待ってほしい」と思っています。このタイプは正直に状況を話してくれることが多いです。

対応策

このような相手には、分割払いを提案したり、相手の状況をしっかり聞いたりすることが大切です。柔軟に対応することで、長期的な関係を維持できる可能性があります。

4. 「払いたくない」(不満がある)

心理状態

四つ目は、商品やサービスに不満があるケースです。「期待と違った」と感じており、クレームをつけて支払いを拒否しようとしています。不満が正当なものか、単なる言いがかりかを見極める必要があります。

対応策

まず不満の内容を具体的に聞き、対応策を提示することが重要です。場合によっては、減額での和解も検討する必要があるかもしれません。

5. 「払う気がない」(確信犯)

心理状態

最も悪質なのが、最初から払う気がないケースです。連絡を無視すれば逃げ切れると考えており、確信犯的に未払いを続けています。

対応策

このタイプに対しては、早めに法的手続きに移行することが重要です。内容証明を送り、それでも反応がなければ支払督促や訴訟へと進むべきです。


催促で相手が感じる防衛反応

1. 「責められている」と感じる

相手の心理

催促を受けた相手は、「責められている」と感じることがよくあります。すると防衛本能が働き、場合によっては逆ギレしてしまうこともあります。この心理メカニズムを理解しておくことが重要です。

防ぐ方法

これを防ぐには、「確認させてください」というスタンスで接することが効果的です。また、「すでにお手続き済みでしたら」と逃げ道を残すことで、相手を責める印象を与えずに済みます。責める言葉は絶対に使わないようにしましょう。

2. 「プレッシャーを感じる」

相手の心理

催促されることで、「早く払わないと」という強いプレッシャーを感じる人もいます。このストレスが溜まると、かえって対応が遅れることもあります。

防ぐ方法

プレッシャーを適切にコントロールするため、段階的に圧力を強めていくことが大切です。最初は柔らかく接し、徐々に踏み込んでいくのです。いきなり強い表現を使うのは避けるべきです。

3. 「信頼を失った」と感じる

相手の心理

支払期日の直後に催促されると、「信頼されていない」と感じる人もいます。「こんなにすぐ催促されるとは思わなかった」という失望感を抱くこともあります。

防ぐ方法

信頼関係を維持するため、支払期日から3〜5日程度は待つことをおすすめします。1日遅れただけで催促するのは避け、信頼関係を維持する表現を使うことが大切です。


やわらかく催促する心理テクニック

1. サンドイッチ話法

構成

  1. ポジティブな言葉
  2. 本題(催促)
  3. ポジティブな言葉

いつもお世話になっております。
平素より格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。

さて、〇〇月分のご請求につきまして、
念のためご確認いただけますでしょうか。

引き続き、何卒よろしくお願いいたします。

2. 逃げ道を残す

心理効果

相手に「言い訳の余地」を残すことで、「責められている」という感覚を軽減できます。これにより、相手は防衛的にならず、素直に対応してくれる可能性が高まります。

すでにお手続き済みの場合は、行き違いで大変失礼いたしました。

3. クッション言葉を使う

クッション言葉の効果

クッション言葉を使うことで、直接的な表現を和らげることができます。「恐れ入りますが」「お手数をおかけしますが」「念のため」「ご多忙のところ恐縮ですが」といった言葉を文頭に置くだけで、印象が大きく変わります。

恐れ入りますが、〇〇月分のご請求につきまして、
念のためご確認いただけますでしょうか。

4. 「私たち」ではなく「私」

心理効果

「会社対会社」ではなく「人対人」の関係性を強調することで、親近感が湧きやすくなります。「弊社としては」ではなく「私の方で」という表現を使うことで、より人間的なコミュニケーションが可能になります。

NG: 弊社としては、お支払いを確認できておりません。
OK: 私の方で、お支払いを確認できておりませんでした。

関係を壊さない催促の段階的アプローチ

Phase 1: 確認(期日+3〜7日後)

トーン: やわらかく、確認のスタンス 表現: 「念のため」「ご確認」 目的: 相手に気づいてもらう

念のため、ご確認いただけますでしょうか。
すでにお手続き済みでしたら、大変失礼いたしました。

Phase 2: お願い(期日+10〜14日後)

トーン: 明確に依頼 表現: 「お支払いをお願いします」 目的: 相手に行動を促す

改めて、お支払いをお願いいたします。
〇〇日までにご対応いただけますでしょうか。

Phase 3: 状況確認(期日+21〜28日後)

トーン: 踏み込んで、状況を確認 表現: 「何か事情がございますか?」 目的: 相手の状況を把握し、解決策を探る

何か事情がございますでしょうか?
もしお支払いが難しい場合、分割払いなどのご相談も可能です。

Phase 4: 最終確認(期日+1ヶ月後)

トーン: 然るべき対応を示唆 表現: 「やむを得ず然るべき対応を検討」 目的: 最後の警告

〇〇日までにご対応いただけない場合、
やむを得ず然るべき対応を検討せざるを得ません。

継続取引先への特別な配慮

1. 長期的な関係を優先

考え方

  • 1回の未払いより、長期的な取引の方が価値が高い
  • 関係を壊さないことを最優先

対応

  • 柔軟に対応
  • 分割払いを認める
  • 感謝の言葉を添える

2. 直接会って話す

心理効果

  • メールより、対面の方が誠意が伝わる
  • 相手の状況を直接聞ける

タイミング

  • 2〜3回催促しても反応がない場合
  • 相手が近くにいる場合

3. 上司・経営者に相談

タイミング

  • 担当者レベルでは解決しない場合
  • 金額が大きい場合

方法

  • 上司・経営者に状況を報告
  • 「今後の取引をどうするか」を相談

NGな催促方法(関係を壊す)

1. 感情的になる

NG

何度言えば分かるんですか?
いい加減にしてください。
こちらも困っているんです。

心理的影響

  • 相手を怒らせる
  • 関係が悪化

2. 脅迫する

NG

払わないと訴えますよ。
法的措置を取りますよ。
どうなるか分かっていますか?

心理的影響

  • 相手が逆ギレ
  • 脅迫と取られる可能性

3. 人格攻撃

NG

そういう会社だったんですね。
信用できません。
約束を守らない人ですね。

心理的影響

  • 相手を傷つける
  • 関係修復が不可能になる

相手のタイプ別アプローチ

タイプA: 真面目だが忘れっぽい

特徴

  • 悪気はない
  • 他の業務で忙しい
  • リマインドすれば払ってくれる

アプローチ

  • 定期的にリマインド
  • 自動振込を提案
  • 支払期日の1週間前に連絡

タイプB: 優柔不断

特徴

  • 決断が遅い
  • 「上司の承認待ち」を繰り返す
  • プレッシャーをかけないと動かない

アプローチ

  • 期限を明確に設定
  • 「〇〇日までに」と具体的な日付
  • 上司に直接連絡

タイプC: 資金繰りが苦しい

特徴

  • 払いたいが、払えない
  • 正直に状況を話してくれる
  • 分割払いなら対応できる

アプローチ

  • 分割払いを提案
  • 柔軟に対応
  • 信頼関係を維持

タイプD: クレーマー

特徴

  • 商品・サービスに不満がある
  • クレームをつけて支払いを拒否
  • 感情的になりやすい

アプローチ

  • 不満の内容を具体的に聞く
  • 対応策を提示
  • 場合によっては減額も検討

タイプE: 確信犯

特徴

  • 最初から払う気がない
  • 連絡を無視
  • 悪質

アプローチ

  • 早めに法的手続き
  • 内容証明 → 支払督促・訴訟
  • 関係維持は諦める

まとめ

心理状態 対応策 トーン
忘れている やわらかくリマインド 確認のスタンス
後回し 期限を明確化 明確な依頼
資金繰り苦しい 分割払い提案 柔軟に対応
不満 不満を聞く 傾聴・対応提示
払う気なし 法的手続き 強い姿勢

相手の心理を理解し、段階的にアプローチすることで、関係を壊さずに回収できます。


免責事項

重要な注意事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言ではありません。

  • 個別の状況に応じて、適切な対応を選択してください。
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最終更新: 2025年11月12日


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