#請求書#書き方#必須項目#法的要件

請求書の正しい書き方|回収しやすい請求書の作り方【法的要件と必須項目を解説】

✍️編集部

この記事は誰のため?

この記事は、以下のような状況の方に向けて書かれています:

  • 請求書を作るとき、何を書けばいいか迷っている
  • 法的に有効な請求書の要件を知りたい
  • 未払いを防ぐために、請求書で工夫できることを知りたい
  • 支払期日や遅延損害金の記載方法を理解したい

この記事を読むことで、法的に有効で、回収しやすい請求書の作り方、必須項目、トラブル予防の工夫が分かります。


請求書に必須の記載事項

法的に必要な項目

請求書に法的な決まった書式はありませんが、以下の項目は必ず記載してください。

まず、請求書の発行日を明記します。いつ請求書を発行したかを記録することで、支払期日の起算点が明確になります(例:2025年11月12日)。

次に、請求書番号を振ります。管理しやすいように、連番や年月を含めた番号(例:INV-202511-001)を付けることが推奨されます。

請求者であるあなたの情報も重要です。氏名または会社名、住所、電話番号、メールアドレスを記載し、法人の場合は代表者名と法人番号も明記します。

請求先の情報として、相手の氏名または会社名、住所を記載します。担当者名が分かる場合は、それも含めるとより確実です。

請求内容には、何に対する請求か(商品名、サービス内容)、数量、単価、合計金額を明確に記載します。

請求金額は、小計、消費税、合計金額を分けて記載することで、内訳が明確になります。

支払期日は、いつまでに支払ってほしいかを具体的な日付で記載します(例:2025年12月31日まで)。

最後に、振込先として、銀行名、支店名、口座種別、口座番号、口座名義を正確に記載します。


回収しやすい請求書にするための追加項目

法的に必須ではないが、記載すべき項目

1. 遅延損害金の記載

【お支払いについて】
お支払期日を過ぎた場合、年14.6%の遅延損害金を申し受けます。

効果:

  • 支払いを遅らせることのリスクを明示
  • 後から遅延損害金を請求する根拠になる

2. 振込手数料の負担者

【振込手数料】
振込手数料はお客様負担でお願いいたします。

効果:

  • 振込手数料を差し引かれて入金されるトラブルを防ぐ

3. 問い合わせ先

【お問い合わせ】
ご不明点がございましたら、下記までご連絡ください。
TEL: 03-1234-5678
Email: info@example.com
担当: 山田

効果:

  • 相手が疑問を持ったときに、すぐ連絡できる
  • 「連絡先が分からなかった」という言い訳を防ぐ

4. 請求の根拠

【請求根拠】
2025年10月15日付 契約書No.202510-01に基づく請求

効果:

  • 何に基づく請求かを明確にする
  • 後から「そんな契約はしていない」と言われるのを防ぐ

請求書テンプレート

基本テンプレート

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
            請求書
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

請求書番号: INV-202511-001
発行日: 2025年11月12日

【請求先】
株式会社〇〇
〒123-4567
東京都〇〇区〇〇 1-2-3
△△部 □□様

【請求者】
株式会社△△
〒987-6543
東京都〇〇区〇〇 4-5-6
代表取締役 山田太郎
TEL: 03-1234-5678
Email: info@example.com

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【請求内容】

項目                数量  単価      金額
────────────────────────────
Webサイト制作費用    1式  500,000円  500,000円

小計                              500,000円
消費税(10%)                      50,000円
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
合計                              550,000円
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【お支払期日】
2025年12月31日まで

【振込先】
〇〇銀行 △△支店
普通 1234567
株式会社△△

※振込手数料はお客様負担でお願いいたします。
※お支払期日を過ぎた場合、年14.6%の遅延損害金を申し受けます。

【お問い合わせ】
ご不明点がございましたら、下記までご連絡ください。
TEL: 03-1234-5678
Email: info@example.com
担当: 山田

支払期日の設定方法

適切な支払期日とは?

一般的な支払期日

  • 月末締め、翌月末払い(納品から約30〜60日後)
  • 納品から30日以内
  • 請求書発行から30日以内

支払期日の記載例

明確な日付を記載

【お支払期日】
2025年12月31日まで

NGな記載

【お支払期日】
請求書発行後、速やかに

→ 「速やかに」は曖昧で、トラブルの元

下請法に注意(事業者向け)

下請法が適用される場合

  • 資本金1,000万円超の事業者が、資本金1,000万円以下の事業者に発注した場合
  • 支払期日は、納品から60日以内に設定する必要がある

違反すると、親事業者が罰則を受ける可能性があります。


遅延損害金の記載方法

遅延損害金とは?

支払期日を過ぎた場合に、追加で請求できる金利

法律上、遅延損害金を請求する権利はありますが、請求書に明記しておくと、後からスムーズに請求できます

遅延損害金の利率

商取引の場合

  • 法定利率: 年3%(2020年4月以降)
  • ただし、契約で別途定めることができる
  • 一般的には年6〜14.6%が多い

請求書での記載例

【遅延損害金】
お支払期日を過ぎた場合、未払金額に対して年14.6%の遅延損害金を申し受けます。

遅延損害金の計算方法

遅延損害金 = 未払金額 × 利率 × 遅延日数 ÷ 365日

: 100万円、年14.6%、30日遅延の場合

100万円 × 14.6% × 30日 ÷ 365日 = 12,000円

請求書の送付方法

1. メール送付

メリット

メール送付には多くの利点があります。まず、コストがかからず経済的です。また、即座に届くため、タイムラグがありません。さらに、送信記録が自動的に残るため、「送った・送っていない」のトラブルを防げます。

注意点

メール送付の際は、いくつかの注意点があります。まず、PDFで添付することが重要です(Wordは改ざんリスクがあるため)。また、件名を分かりやすくすることで、相手が見落とさないようにします(例:【請求書】2025年11月分のご請求)。本文には、請求書番号、金額、期日といった要点を記載しておくと親切です。

送付メールの例

件名:【請求書】2025年11月分のご請求(INV-202511-001)

〇〇株式会社
〇〇部 〇〇様

いつもお世話になっております。
株式会社△△の山田です。

2025年11月分のご請求書をお送りいたします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【請求書情報】
・請求書番号: INV-202511-001
・ご請求金額: 550,000円(税込)
・お支払期日: 2025年12月31日
・振込先: 〇〇銀行 △△支店 普通 1234567
         株式会社△△
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

添付の請求書PDFをご確認ください。

ご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

何卒よろしくお願いいたします。

株式会社△△
山田太郎
TEL: 03-1234-5678
Email: info@example.com

2. 郵送

メリット

郵送には、正式な印象を与えるという利点があります。また、物理的に届くため、相手が「届いていない」と言いづらくなります。

注意点

一方で、送料がかかることや、到着まで時間がかかることがデメリットです。また、送付記録を残すために、簡易書留などを利用することをおすすめします。

3. 電子請求書システム

メリット

電子請求書システムを使うと、送付・管理が自動化され、業務効率が向上します。また、送達証明が残り、相手が閲覧したかどうかも確認できるため、トラブル防止に役立ちます。

注意点

ただし、相手が対応しているシステムを使う必要があることや、初期費用・月額費用がかかる場合があることに注意が必要です。


請求書を送るタイミング

納品・サービス提供後すぐに送る

おすすめのタイミング

請求書を送る最適なタイミングは、納品・サービス提供が完了した日、または月末締めの場合は翌月初旬です。

なぜ早く送るべきか?

早期送付には複数のメリットがあります。まず、相手が「納品されていない」といった言い訳をしづらくなります。また、支払いを忘れられにくくなり、相手の経理処理にも間に合わせることができます。

相手の経理締め日を確認

多くの企業は月末締め、翌月払い

  • 例:11月末締め → 12月に支払い処理 → 12月末に振込

相手の経理締め日に間に合うように請求書を送ることで、支払いがスムーズになります。


請求書の保管期間

法人の場合

7年間の保管が義務

  • 法人税法により、請求書の控えは7年間保管する必要がある
  • 電子データでの保管もOK(電子帳簿保存法に対応)

個人事業主の場合

5年間の保管が義務(青色申告の場合は7年)

  • 所得税法により、請求書の控えは5年間保管する必要がある

請求書を送っても反応がない場合

1. 入金確認メールを送る(期日+3〜7日後)

相手が支払いを忘れている可能性があるため、まずはやわらかく確認します。

入金確認メールの書き方

2. 2回目の催促メール(期日+10〜14日後)

1回目の連絡に反応がない場合、もう少し踏み込んだ表現に切り替えます。

2回目の催促メール

3. 内容証明郵便(期日+1ヶ月後)

2〜3回催促しても反応がない場合、内容証明郵便を送ります。

内容証明の書き方


請求書作成のチェックリスト

請求書を作成する際、以下の項目をチェックしてください:

必須項目

  • 請求書の発行日
  • 請求書番号
  • 請求者(あなた)の情報(氏名・住所・連絡先)
  • 請求先(相手)の情報(氏名・住所)
  • 請求内容(商品名・サービス内容・数量・単価)
  • 請求金額(小計・消費税・合計)
  • 支払期日(具体的な日付)
  • 振込先(銀行名・支店名・口座番号・口座名義)

推奨項目

  • 遅延損害金の記載
  • 振込手数料の負担者
  • 問い合わせ先
  • 請求の根拠(契約書番号など)

送付時のチェック

  • PDFで保存(改ざん防止)
  • メール件名に請求書番号を記載
  • 送付記録を残す(メール送信記録、郵送記録)
  • 控えを保管(7年間)

請求書作成ツールの活用

おすすめの無料ツール

1. Misoca(弥生)

  • 無料プランあり(月5通まで)
  • テンプレートが豊富
  • 見積書・納品書も作成できる

2. freee請求書

  • 無料プランあり
  • クラウド会計ソフトと連携
  • 自動送付機能あり

3. Googleスプレッドシート

  • 完全無料
  • テンプレートをカスタマイズできる
  • 管理も一元化できる

ツールを使うメリット

  • ✅ 記載漏れを防げる
  • ✅ デザインが整っている
  • ✅ 送付記録が自動で残る
  • ✅ 未入金管理がしやすい

よくある質問(FAQ)

Q1: 請求書に印鑑は必要?

A: 法的には不要ですが、慣習として押す企業が多いです。

  • 法人の場合:社印を押すのが一般的
  • 個人事業主の場合:印鑑がなくてもOK
  • 電子請求書の場合:電子署名で代替可能

Q2: 請求書を修正したい場合は?

A: 再発行して、「訂正版」として送ります。

  • 元の請求書番号に「-2」を付ける(例:INV-202511-001-2)
  • 件名に「【訂正版】」と明記
  • 「先日お送りした請求書に誤りがありましたので、訂正版をお送りします」と説明

Q3: 相手が「請求書が届いていない」と言ったら?

A: すぐに再送します。

  • メール送信記録を確認
  • 再度、メールとPDFを送付
  • 念のため、郵送も検討

Q4: 消費税の記載は必須?

A: 課税事業者の場合は必須です。

  • 課税事業者(年間売上1,000万円以上):消費税を別途記載
  • 免税事業者(年間売上1,000万円未満):「税込」として記載、または「消費税免税事業者」と明記

Q5: 請求書を英語で作る場合は?

A: Invoice(インボイス)として作成します。

  • 項目名を英語に翻訳(例:請求書 → Invoice)
  • 通貨を明記(例:JPY、USD)
  • 海外取引の場合は、支払方法も明記(銀行送金、PayPalなど)

まとめ

項目 内容
必須項目 発行日、請求書番号、請求者・請求先情報、請求内容、金額、支払期日、振込先
推奨項目 遅延損害金、振込手数料負担者、問い合わせ先、請求根拠
送付方法 メール(PDF添付)、郵送、電子請求書システム
保管期間 法人7年、個人事業主5年(青色申告は7年)
送付タイミング 納品・サービス提供後すぐ、相手の経理締め日に間に合うように

請求書は、未払いトラブルを防ぐための第一歩です。法的に有効な項目をしっかり記載し、送付記録を残すことが重要です。


免責事項

重要な注意事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言ではありません。

  • 個別の状況に応じて、税理士や弁護士などの専門家にご相談ください。
  • 本記事の内容をそのまま使用した結果生じた損害について、当サイトは一切の責任を負いません。
  • 下請法、電子帳簿保存法など、関連法規は最新の情報を確認してください。

最終更新: 2025年11月12日


次のステップ

契約書でトラブルを防ぎたい方

請求書を送っても反応がない方

全体のフローを確認したい方

💡

催促メールの作成、毎回大変ではありませんか?

請求書の送付から入金確認、催促メールの送信まで、請求・入金管理を一元化できるツールがあります。

  • 請求書の送付から入金確認まで自動化
  • 未入金案件を自動でリスト化、対応状況を一目で把握
  • 催促メールテンプレをワンクリックで送信
  • 経営者や上司にリアルタイムで未回収状況を共有

まずは無料トライアルで、請求・入金業務の効率化を実感してください。

MakeLeapsを無料で試す →

※ 実績5,400社以上・リコーグループの請求管理クラウド

※ 当サイトはアフィリエイト広告を掲載しています