催促電話のかけ方とトークスクリプト|メールより効果的な理由
この記事は誰のため?
「催促メールを送ったのに、全然返信がこない...」そんなときは、電話をかけるのが効果的です。
でも、「電話で何を話せばいいんだろう」「相手を不快にさせないか心配」と、つい躊躇してしまいますよね。この記事では、電話での催促の仕方を、実際に使えるトークスクリプトと一緒に解説します。
メールより電話が効果的な3つの理由
「メールだけで十分じゃないの?」と思うかもしれません。でも、実は電話の方が効果的なケースが多いんです。
まず、電話ならその場で支払い状況を確認できますし、支払い予定日も直接聞き出せます。相手の声のトーンから、本気度や事情も読み取れるでしょう。

次に、メールは大量の受信メールに埋もれてしまいがちですが、電話なら確実に相手に届きます。無視されにくいですし、緊急性も伝わりやすいです。
そして何より、電話なら声のトーンで丁寧さと真剣さを両立できます。関係性を維持しながら、しっかりと催促できるのです。
実際のデータを見てみましょう。メールだけの催促だと回収率は30〜40%ですが、メールと電話を併用すると60〜70%に跳ね上がります。つまり、電話を使えば回収率が約2倍になるのです。
電話をかけるベストタイミング
電話をかけるタイミングも重要です。相手が忙しい時間に電話すると、後回しにされたり、不快に思われたりします。
おすすめの時間帯は、午前10時〜11時、または午後2時〜4時です。朝一番や昼休みは避け、落ち着いた時間を狙いましょう。午後5時以降は退勤時間なので、これも避けた方が無難です。また、月末や月初は経理担当者が忙しいので、できればその時期も外しましょう。
曜日は、火曜日〜木曜日がベストです。月曜日の午前中は週の始まりでバタバタしていますし、金曜日の午後は週末モードで対応が遅れがちです。
催促電話をかけるタイミング
| 催促回数 | タイミング | 目的 |
|---|---|---|
| 1回目 | 支払期日の3〜5日後 | 確認・リマインド |
| 2回目 | 支払期日の10〜14日後 | 支払い予定日の確認 |
| 3回目 | 支払期日の20〜30日後 | 踏み込んだ催促 |
電話をかける前の準備
手元に用意すべき情報
電話をかける前に、以下を準備しましょう:
必須情報:
- 請求書番号
- 請求日
- 請求金額
- 支払期日
- 過去のやり取り(メール、電話の記録)
- 取引先の担当者名・部署名
あると便利な情報:
- 納品日・サービス提供日
- 契約書の写し
- 前回の支払い実績
相手の情報の確認
事前に確認すること:
- 経理担当者の名前(わかる場合)
- 部署名(経理部、総務部など)
- 会社の支払いフロー(可能であれば)
メモの取り方
電話中は必ずメモを取りましょう。
メモすべき内容:
- 通話日時
- 対応者の名前・部署
- 会話の内容
- 約束した支払い予定日
- 次のアクション
1回目の電話トークスクリプト
丁寧な確認スタイル
1回目の電話は、確認とリマインドが目的です。相手を責めるのではなく、「確認させてください」というトーンで話しましょう。
実際のトークスクリプト
【冒頭の挨拶】
「お世話になっております。〇〇株式会社の△△と申します。
経理ご担当者様はいらっしゃいますでしょうか?」
(担当者に代わってもらう)
「お忙しいところ恐れ入ります。〇〇株式会社の△△と申します。
〇月〇日にお送りした請求書について、確認のお電話をさせていただきました。
今、少しお時間よろしいでしょうか?」
【用件の説明】
「〇月〇日付の請求書番号〇〇番、金額〇〇円につきまして、
お支払期日が〇月〇日となっておりましたが、
本日までにご入金の確認ができておりません。
念のため、請求書はお手元に届いておりますでしょうか?」
【相手の返答に応じて】
パターンA: 「届いています」
→「ありがとうございます。それでは、お支払いの予定はいつ頃になりますでしょうか?」
パターンB: 「届いていない」
→「承知いたしました。それでは、再送させていただきます。
メールと郵送、どちらがよろしいでしょうか?」
パターンC: 「確認します」
→「承知いたしました。それでは、〇日までにご確認いただけますでしょうか?
また、確認後にご連絡をいただけますと幸いです。」
【クロージング】
「お忙しい中、ご対応ありがとうございました。
それでは、〇月〇日までにお支払いのほど、よろしくお願いいたします。
失礼いたします。」
NGな言い回し
1回目の電話で避けるべき表現:
- ❌ 「まだ支払われていません」(責めるトーン)
- ❌ 「いつ払ってくれますか?」(高圧的)
- ❌ 「困っています」(感情的)
良い言い回し:
- ✅ 「ご入金の確認ができておりません」(事実を伝える)
- ✅ 「お支払いの予定はいつ頃でしょうか?」(丁寧な質問)
- ✅ 「確認させていただけますでしょうか?」(協力を求める)
2回目の電話トークスクリプト
明確な依頼スタイル
2回目の電話は、明確に支払いを依頼するトーンで話しましょう。ただし、高圧的にならないよう注意が必要です。
実際のトークスクリプト
【冒頭の挨拶】
「お世話になっております。〇〇株式会社の△△と申します。
先日もお電話させていただきました、請求書の件でご連絡いたしました。
経理ご担当者様はいらっしゃいますでしょうか?」
(担当者に代わってもらう)
「お忙しいところ恐れ入ります。
〇月〇日にお電話させていただいた、請求書番号〇〇番の件でございます。」
【用件の説明】
「支払期日が〇月〇日でしたが、本日までにご入金の確認ができておりません。
前回のお電話では〇月〇日までにご確認いただけるとのことでしたが、
その後いかがでしょうか?」
【支払い予定日を聞き出す】
「恐れ入りますが、具体的なお支払い予定日をお教えいただけますでしょうか?
社内での調整もございますので、ぜひ教えていただけますと助かります。」
(相手が予定日を答えたら)
「承知いたしました。それでは、〇月〇日までにお支払いいただけるということで、
確認させていただきました。ありがとうございます。」
【念押し】
「念のため、お支払い後にご一報いただけますと幸いです。
また、万が一〇月〇日までが難しい場合は、お早めにご連絡をお願いいたします。」
【クロージング】
「お忙しい中、ご対応ありがとうございました。
それでは、〇月〇日のお支払いをお待ちしております。失礼いたします。」
支払い予定日を聞き出す質問法
相手が曖昧な返答をする場合、以下の質問で具体的な日付を引き出しましょう:
曖昧な返答への対処:
相手: 「今週中には…」 → 「今週中ということは、〇月〇日(金)までということでよろしいでしょうか?」
相手: 「できるだけ早く…」 → 「ありがとうございます。具体的には今月中でしょうか、来月でしょうか?」
相手: 「確認して折り返します」 → 「承知いたしました。それでは、〇日までにご連絡いただけますでしょうか?」
3回目の電話トークスクリプト
踏み込んだ催促スタイル
3回目の電話は、より踏み込んだ内容で話す必要があります。ただし、関係性を壊さないよう配慮は必要です。
実際のトークスクリプト
【冒頭の挨拶】
「お世話になっております。〇〇株式会社の△△と申します。
請求書番号〇〇番の件で、再度ご連絡させていただきました。
経理ご担当者様、またはご責任者様はいらっしゃいますでしょうか?」
(担当者に代わってもらう)
【用件の説明】
「〇月〇日が支払期日の請求書につきまして、
これまで〇回ご連絡させていただいておりますが、
いまだにご入金の確認ができておりません。」
【状況確認】
「前回のお電話では〇月〇日までにお支払いいただけるとのことでしたが、
何か問題が発生しておりますでしょうか?」
(相手の説明を聞く)
【次のアクションを明示】
「承知いたしました。大変恐縮ではございますが、
このままご入金が確認できない場合、
書面での正式な催促をさせていただくことになります。
できれば、そのような形は避けたいと考えておりますので、
〇月〇日までにお支払いいただけますでしょうか?」
【クロージング】
「お忙しい中ありがとうございました。
それでは、〇月〇日までのお支払いを確認させていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。」
相手が不在・出ない場合の対処法
担当者が不在の場合
「承知いたしました。それでは、〇〇様(担当者)にお電話があったことを
お伝えいただけますでしょうか?
件名は『請求書番号〇〇番の支払いの件』でお願いいたします。
また、〇時頃に改めてお電話させていただきます。」
何度電話しても出ない場合
- メールで「〇月〇日〇時に電話しましたが、ご不在でした」と送る
- 電話とメールの両方で記録を残す
- 3回以上不在の場合は、書面での催促に切り替える
電話後の記録の残し方
通話内容のメモテンプレート
電話後は、必ず記録を残しましょう。
【通話記録】
日時: 2025年〇月〇日 〇時〇分
相手: 〇〇株式会社 経理部 〇〇様
請求書番号: INV-202501-001
請求金額: 100,000円
支払期日: 2025年1月31日
【会話内容】
- 請求書は届いている
- 経理処理が遅れていた
- 支払い予定日: 2025年2月15日
【次のアクション】
- 2月15日に入金確認
- 入金がない場合、2月16日に再度電話
メールでの確認送付
電話後は、必ずメールでも確認を送りましょう。
メールのテンプレート:
件名: 【お電話の確認】請求書番号〇〇のお支払いについて
〇〇株式会社
経理部 〇〇様
お世話になっております。
〇〇株式会社の△△です。
本日はお電話にてご対応いただき、ありがとうございました。
念のため、お電話でお話しした内容を確認させていただきます。
■ 請求書番号: INV-202501-001
■ 請求金額: 100,000円
■ お支払い予定日: 2025年2月15日
上記の内容でお間違いなければ、ご返信は不要です。
万が一、内容に相違がございましたら、ご連絡をお願いいたします。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
証拠として使える記録方法
万が一、法的措置が必要になった場合に備えて:
記録すべき情報:
- 通話日時(具体的な時刻まで)
- 対応者の名前・部署
- 会話内容(できるだけ詳細に)
- 約束した内容
記録方法:
- クラウド会計ソフトの記録機能
- Excelやスプレッドシート
- 専用の債権管理システム
電話で催促する際のNG行動
感情的になる
NG: 「なぜ払ってくれないんですか!」 OK: 「お支払いの予定を教えていただけますか?」
脅迫的な表現
NG: 「払わないと訴えますよ」 OK: 「このままですと、書面での催促になります」
営業時間外の架電
- 早朝(9時前)
- 夜間(18時以降)
- 土日祝日
は避けましょう。緊急の場合を除き、営業時間内に電話をかけるのがマナーです。
録音する場合の注意点
電話を録音する場合:
- 事前に相手の同意を得る(「品質向上のため録音させていただきます」)
- 無断録音は法的に問題になる可能性がある
- 録音データは証拠として保管
よくある質問(FAQ)
Q1. 担当者が不在の場合は?
A. 伝言を残し、かけ直す時間を伝えましょう。
- 「〇時頃に改めてお電話します」と伝言を残す
- 3回以上不在の場合は、メールに切り替える
- 「お電話が繋がらないため、メールを送ります」と記録を残す
Q2. 相手が電話に出ない場合は?
A. メールと書面を併用しましょう。
- 電話が繋がらないことをメールで伝える
- 「〇月〇日と〇月〇日に電話しましたが、ご不在でした」と記録
- 書面での催促に切り替える
Q3. 電話とメールの使い分けは?
A. 以下のように使い分けましょう:
| 状況 | 推奨方法 |
|---|---|
| 1回目の催促 | メール |
| 2回目の催促 | 電話 + メール |
| 3回目の催促 | 電話 + 書面 |
| 緊急・高額 | 電話優先 |
| 継続取引先 | 電話優先 |
まとめ
電話催促の成功ポイント
- タイミング: 火〜木曜日の午前10〜11時または午後2〜4時
- 準備: 請求書番号、金額、期日を手元に用意
- トーン: 丁寧だが明確に
- 記録: 電話後は必ずメールで確認を送る
- 段階的: 1回目は確認、2回目は明確な依頼、3回目は踏み込んだ催促
電話での催促は、メールだけでは得られない即効性と確実性があります。適切なタイミングと話し方で、支払いを促しましょう。
次のステップ
電話での催促後、さらに対応が必要な場合は、こちらをご覧ください。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言ではありません。個別の状況に応じて、弁護士などの専門家にご相談ください。
最終更新: 2025年11月18日
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