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弁護士費用の相場と選び方|未払い回収の依頼タイミング

✍️編集部

この記事は誰のため?

この記事は、以下のような状況でお困りの方に向けて書かれています:

  • 弁護士に債権回収を依頼したいが、費用がわからない
  • 自分で手続きするか、弁護士に依頼するか迷っている
  • 費用対効果を判断したい

この記事を読むことで、弁護士費用の相場と依頼すべきタイミングがわかり、適切な判断ができます。


弁護士に依頼すべきタイミング

依頼すべき状況

内容証明を送っても反応がない場合や、相手が「支払わない」と明言している場合は、弁護士への依頼を検討すべきです。

また、金額が50万円以上ある場合、相手が倒産・夜逃げしている可能性がある場合、法的手続き(支払督促、訴訟)を考えている場合も、弁護士の力を借りた方が良いでしょう。

まだ依頼しなくてよい状況

逆に、1〜2回催促しただけの場合や、金額が少額(10万円以下)の場合、相手が誠実に対応している場合は、まだ弁護士に依頼する必要はありません。

弁護士に依頼すべきタイミングのフローチャート

判断ポイント: 弁護士費用は決して安くありません。債権額が30万円以下の場合、費用倒れになる可能性があります。まずは自力での回収を試み、それでもダメな場合に弁護士への依頼を検討しましょう。


弁護士費用の仕組み

弁護士費用は、大きく分けて4種類あります。

1. 相談料

初回相談時の費用です。相場は30分で5,000円から1万円程度ですが、初回30分無料の事務所も多くあります。

2. 着手金

依頼時に支払う固定費用です。特徴として、回収できなくても返金されず、依頼する段階で必ず支払う必要があります。

相場は10〜30万円(債権額による)です。

3. 成功報酬

回収できた金額に応じて支払う費用です。特徴として、回収できなければ支払い不要で、回収額の一定割合を支払います。

相場は回収額の10〜20%です。

4. 実費

郵送費、交通費、裁判所への手数料などです。相場は数千円から数万円です。


債権回収の弁護士費用相場

債権額別に、弁護士費用の相場を見ていきましょう。

債権額別の費用相場

債権額 着手金 成功報酬 合計(回収成功時)
10万円 5〜10万円 1〜2万円 6〜12万円
50万円 10〜20万円 5〜10万円 15〜30万円
100万円 15〜25万円 10〜20万円 25〜45万円
500万円 30〜50万円 50〜100万円 80〜150万円

債権額別の費用相場グラフ

日弁連旧報酬基準(参考)

日本弁護士連合会は、2004年まで弁護士報酬の基準を定めていました。現在は廃止されていますが、多くの弁護士がこれを参考にしています。

旧報酬基準では、着手金が経済的利益の8%、成功報酬が経済的利益の16%でした。

例えば債権額100万円の場合、着手金は100万円×8%=8万円、成功報酬は100万円×16%=16万円で、合計24万円となります。

ただし、実際の費用は事務所によって異なります。


費用体系のパターン

弁護士事務所によって、費用体系が異なります。

パターン1: 着手金あり + 成功報酬

最も一般的な費用体系です。

債権額100万円の場合の費用例は、着手金15万円、成功報酬が回収額の15%=15万円で、合計30万円です。

メリットは、成功報酬が比較的低く、弁護士が真剣に取り組む点です。デメリットは、回収できなくても着手金は返金されない点です。

パターン2: 着手金なし + 成功報酬高め

初期費用をゼロにしたい場合の費用体系です。

債権額100万円の場合の費用例は、着手金0円、成功報酬が回収額の30〜40%=30〜40万円です。

メリットは、初期費用がゼロで、回収できなければ費用ゼロな点です。デメリットは、成功報酬が高く、リスクが高い案件は断られる可能性がある点です。

費用体系パターンの比較表

パターン3: 時間制

弁護士の作業時間に応じて課金される費用体系です。

費用例は、1時間あたり2〜5万円で、合計作業時間で決まります。

メリットは作業内容が明確な点ですが、デメリットは最終的な費用が見えにくく、長引くと高額になる点です。


弁護士の選び方

弁護士を選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう。

ポイント1: 債権回収の実績

債権回収を専門にしている弁護士を選びましょう。

確認方法として、ホームページの「取扱分野」を確認する、過去の成功事例を聞く、「債権回収の案件は年間何件ですか?」と質問するといった方法があります。

ポイント2: 費用の透明性

費用を明確に提示してくれる弁護士を選びましょう。

確認事項として、着手金・成功報酬の金額、追加費用の有無、実費の範囲を確認します。

危険なサインとして、「相談してから決めましょう」と曖昧にする、追加費用の説明がないといった対応があります。

ポイント3: コミュニケーション

レスポンスが早く、説明がわかりやすい弁護士を選びましょう。

確認方法として、初回相談の対応を確認する、メールの返信速度を確認する、専門用語を使わず説明してくれるかをチェックします。

ポイント4: アクセス

事務所の場所や、オンライン相談の可否も重要です。

事務所の所在地、オンライン相談が可能か、出張相談が可能かを確認しましょう。


弁護士への相談方法

無料相談の活用

多くの弁護士事務所が初回30分〜1時間無料で相談を受け付けています。

無料相談の探し方として、Google検索で「債権回収 弁護士 無料相談 [地域名]」と検索する、法テラス(収入が一定以下の場合)を利用する、自治体の無料法律相談を活用するといった方法があります。

相談時に準備すべき書類

相談時には、契約書、請求書、催促メールの履歴、内容証明のコピー、取引履歴を準備しましょう。

これらの書類があると、弁護士が状況を正確に把握でき、的確なアドバイスがもらえます。

相談時に聞くべきこと

初回相談では、以下を質問しましょう。

まず回収の見込みとして「この案件は回収できそうですか?」と聞きます。次に費用の見積もりとして「着手金と成功報酬はいくらですか?」を確認します。

また、手続きの流れとして「どのような手続きになりますか?」、期間の目安として「回収までどのくらいかかりますか?」も聞いておきましょう。


費用対効果の判断

弁護士に依頼する前に、費用対効果を慎重に判断しましょう。

ケース1: 債権額10万円

弁護士費用は、着手金5〜10万円、成功報酬1〜2万円で、合計6〜12万円です。回収額は10万円。

判断としては、費用倒れの可能性大です。

自力での回収(支払督促少額訴訟)を検討しましょう。

ケース2: 債権額100万円

弁護士費用は、着手金15〜25万円、成功報酬10〜20万円で、合計25〜45万円です。回収額は100万円で、手取りは55〜75万円になります。

判断としては、費用対効果ありです。弁護士に依頼する価値があります。

判断基準

債権額50万円以上なら弁護士への依頼を検討、債権額30万円以下なら自力回収を検討、債権額10万円以下なら諦めるか自力回収のみ、という基準で判断しましょう。


弁護士に依頼するメリット

メリット1: 回収率が上がる

弁護士の交渉力により、回収率が大幅に上がる可能性があります。

理由として、法的知識に基づいた交渉ができる、相手に「裁判になる」というプレッシャーを与えられる、弁護士会照会による財産調査ができるといった点があります。

メリット2: 時間と労力の節約

書類作成、裁判所への出廷を弁護士が代行してくれます。

節約できる時間として、書類作成に数時間〜数日、裁判所への出廷が半日×複数回、相手との交渉に数時間かかるところを省略できます。

メリット3: 精神的負担の軽減

催促のストレスから解放されます。

解放されるストレスとして、相手に催促する精神的負担、裁判の不安、「回収できないかも」という心配から解放されます。


弁護士に依頼しない選択肢

弁護士に依頼せず、自力で回収する方法もあります。

自力での回収

支払督促少額訴訟を自分で申し立てることができます。

メリットは、費用を大幅に抑えられる、手続きが簡単な点です。デメリットは、時間と労力がかかる、法的知識が必要な点です。

司法書士への依頼

140万円以下の債権なら、司法書士に依頼できます。

費用は、着手金5〜15万円程度(弁護士より安い)、成功報酬が回収額の10〜15%です。

メリットは弁護士より費用が安い点ですが、デメリットは140万円を超える債権は扱えない点です。

債権回収会社(サービサー)

債権を買い取ってもらう方法です。

仕組みとして、債権回収会社に債権を売却し、売却額は債権額の10〜30%程度になります。

メリットは、確実に現金化でき、手間がゼロな点です。デメリットは、回収額が大幅に減る点です。


弁護士費用を抑える方法

方法1: 複数の弁護士に見積もりを取る

3社以上に見積もりを依頼し、比較しましょう。

注意点として、安いだけで選ばず、実績と費用のバランスを見ることが大切です。

方法2: 法テラスの活用

収入が一定以下の場合、法テラス(日本司法支援センター)の費用立替制度を利用できます。

条件は、月収が一定額以下、資産が一定額以下です。メリットは、費用の立替と分割払いが可能な点です。

問い合わせ先は、法テラス(0570-078374)です。

方法3: 自分でできることは自分でやる

内容証明までは自分で送り、その後、弁護士に依頼することで費用を抑えられます。

自分でできることとして、内容証明の送付と証拠書類の整理があります。弁護士に依頼することとして、訴訟の提起と強制執行があります。


よくある質問(FAQ)

Q: 着手金は返金される?

A: 返金されません

着手金は、依頼時に支払う固定費用です。回収に失敗しても返金されないため、弁護士選びは慎重に行いましょう。

Q: 成功報酬は回収額から差し引かれる?

A: はい、回収額から差し引かれます

例として、回収額100万円、成功報酬15%の場合、回収額が100万円、成功報酬が15万円で、手取りは85万円となります。

Q: 弁護士特約(保険)は使える?

A: 債権回収では使えません

弁護士特約は、自動車保険などに付帯している特約ですが、交通事故などの損害賠償請求にのみ使えます。商取引の債権回収には使えません。

Q: 相談料は無料?

A: 事務所によって異なります

初回30分〜1時間無料の事務所が多いですが、有料の事務所もあります。事前に確認しましょう。


まとめ

弁護士への依頼は、費用対効果を慎重に判断することが重要です。

依頼の判断チェックリスト

債権額が50万円以上、内容証明を送っても反応がない、自力での回収が難しい、相手が倒産・夜逃げの可能性、弁護士費用を支払っても回収額が残る、という条件を満たしているか確認しましょう。

費用相場(まとめ)

債権額 着手金 成功報酬 合計 手取り(概算)
50万円 10〜20万円 5〜10万円 15〜30万円 20〜35万円
100万円 15〜25万円 10〜20万円 25〜45万円 55〜75万円
500万円 30〜50万円 50〜100万円 80〜150万円 350〜420万円

弁護士の選び方(まとめ)

  1. 債権回収の実績を確認
  2. 費用の透明性を確認
  3. コミュニケーションの質を確認
  4. 複数の事務所に見積もりを依頼

弁護士に依頼するかどうかは、債権額と費用対効果を慎重に判断しましょう。債権額が50万円以上なら依頼の価値あり、30万円以下なら自力回収を検討することをおすすめします。


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免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言を構成するものではありません。具体的な法的問題については、弁護士等の専門家にご相談ください。

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未払いが長期化している場合は、専門家への相談をおすすめします

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まずは無料相談で、回収の可能性や取るべき手段について、専門家の意見を聞いてみることをおすすめします。

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